概要
TikTok で商品を紹介する広告動画を作っている企業様向けに、「よく見られている動画の分析」と「新しい商品の台本づくり」を AI で自動化する仕組みを作りました。
担当の方が普段使っている Google スプレッドシートに動画の URL や商品名を入れてメニューを押すと、裏側のサーバーが動画を取り込み、AI が分析や台本の作成を行い、できあがった Word 文書のリンクがスプレッドシートに書き込まれます。新しい画面の使い方を覚えなくても、いつもの表の上で作業が完結する形にしました。
課題
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よく見られている TikTok 動画を参考にするとき、1 本ずつ見返して、セリフ・画面の文字(テロップ)・撮り方を手で書き出していた
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分析した内容を、次に作る商品の台本へ活かす流れが決まっておらず、担当者の経験に頼っていた
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「冒頭でつかむ一言」や「購入をうながす締めの言葉」など、これまでにうまくいった言い回しが個人の手元に散らばっていて、チームで使い回せなかった
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1 本ずつ作業するため、まとめて何十本も分析・作成したいときに時間がかかっていた
作ったもの
動画の分析(スプレッドシートの「分析」シート)
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使い方: TikTok の URL を貼り、分析したい行にチェックを入れてメニューを押すだけです
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動画の取り込みと場面の切り出し: サーバーが動画を取り込み、画面が大きく切り替わる場面ごとに静止画を自動で切り出します
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文字起こし: 話している言葉に加えて、画面に出ているテロップも AI が読み取って書き起こします
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場面ごとの分析: 動画・場面ごとの静止画・文字起こしをまとめて AI に渡し、次の項目を場面ごとに整理します
| 分析する項目 | 内容 |
|---|---|
| 冒頭のつかみ | 最初の 1〜2 秒でどう視聴者を引きつけているか、その型 |
| 動画の型 | 体験談トーク・比較検証・悩み解決・開封レビューなど |
| 訴求の軸 | 商品の何を、何と組み合わせて伝えているか |
| 場面ごとの構成 | セリフ・テロップ・撮り方・演出・その場面の狙い |
| 購入までの導線 | 最後にどこへ、どんな言葉で案内しているか |
| 見られた理由・想定する視聴者・改善案 | なぜ伸びたか、誰に向けた動画か、さらに良くするには |
- レポートの保存: 分析結果を、場面ごとの静止画入りの Word 文書にして共有ドライブへ保存し、そのリンクと「参考 ID」をスプレッドシートに書き込みます
台本の作成(「台本作成」シート)
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使い方: 商品名・商品ページの URL・ジャンル、必要なら参考にしたい動画の「参考 ID」を入れてメニューを押します
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材料を集める: 商品ページの内容を読み取り、参考動画の分析結果と、後述のフレーズ集から関係の深いものを集めます
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AI が台本を書く: 「台本づくりの考え方」「フレーズ集」「お手本の台本」「今回の指示」を組み合わせて AI に渡し、決まった書式で台本を作ります。冒頭の一言(10〜15 文字)とその差し替え案 5 つ、5〜6 カットのセリフ・テロップ・撮影の指示、BGM・効果音の案、ハッシュタグ案までがそろいます
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台本の保存: Word 文書にして台本用の共有ドライブへ保存し、リンクをスプレッドシートに書き込みます
フレーズ集の管理(「ナレッジ」シート)
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うまくいった言い回しをためる: ジャンル・場面(冒頭・導入・本題・締め)・タグを付けて、フレーズを 1 行ずつ登録します
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追加・更新・削除: 行にチェックを入れてメニューから選ぶと、サーバー側のデータベースに反映され、結果(登録済み・更新済み・削除完了・エラー)がその行に書き込まれます
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CSV からまとめて取り込む: 手元の CSV ファイルを専用のページに置くと、シートの末尾に追記されます(足りなければシートの行も自動で増やします)
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意味の近いものを探す: 登録したフレーズは「意味の近さ」で検索できるように変換して保存します。台本を作るときは、商品名とジャンルに意味が近いフレーズを探し、同じジャンルのフレーズも補って AI に渡します
3 つをつなぐ流れ
分析・台本作成・フレーズ集は別々のシートですが、中身はつながっています。分析した動画には「参考 ID」が付き、その結果はサーバー側に残ります。台本を作るときにこの ID を書いておけば、参考動画の場面構成・冒頭のつかみ方・締めの言葉が台本づくりの材料になります。さらにフレーズ集にためた言い回しも自動で加わるため、「よく見られている動画を分析する」「うまくいった言い回しをためる」「それらを踏まえて次の台本を書く」という一連の作業が、同じスプレッドシートの上で回るようになりました。
工夫したところ
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スプレッドシートの処理時間の上限(1 回 6 分)を超えても止まらないようにしました。5 件ずつ並行してサーバーに送り、上限の 30 秒前になったら区切って、1 分後に自動で続きを再開します。すべて終わったら再開の予約は自動で消します
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同じ動画を 2 回処理しないようにしました。処理を始めた行にはすぐ「解析中...」と書き込み、結果の欄が空の行だけを対象にするため、自動再開のときに同じ行をもう一度送ることはありません。成功した行はチェックを自動で外します
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1 件の失敗で全体が止まらないようにしました。成功・失敗は行ごとに結果の欄へ書き込み、最後に「成功◯件・エラー◯件」をまとめて表示します。実行前には件数を示した確認も出します
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外部の都合で処理が失敗しても、できる範囲で台本を作り切るようにしました。商品ページが読めないとき、参考動画の分析が見つからないとき、意味の近さでの検索が失敗したとき(同じジャンルのフレーズだけに切り替えます)も、止めずに続けます。フレーズを検索用に変換する処理は、失敗したら間を空けて最大 3 回までやり直します
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分析・台本作成・フレーズ集の操作を受け付けるサーバーの入口は合言葉(API キー)で守り、合言葉を持つスプレッドシートからだけ使えるようにしました。AI の呼び出しや保存はサーバー側の専用アカウントの権限で行う形に一本化し、AI 用の鍵をサーバーに置かない構成にしています。文書の保存もサーバー側で行うため、スプレッドシート側には共有ドライブを触る権限を持たせていません
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動画や静止画の一時ファイルは、処理が成功しても失敗しても必ず消すようにし、不要なデータが残り続けないようにしました
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AI に渡す指示では、参考動画の構成やテンポは学ばせつつ、その動画の商品名・価格・成分などの固有の情報は台本に流用しないよう明示しています。他社の商品情報が新しい台本に紛れ込むのを防ぐためです
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フレーズ集の保存先を途中でより検索に強いデータベースへ移した際は、移行用の手順(スクリプト)を用意しました。すでに移したものは飛ばすため、途中で止まってもやり直せます。ID は自動で振り、シート上では編集しない決まりにしています
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動画の取り込みに使う部品は TikTok 側の仕様変更で動かなくなることがあるため、その更新手順や、ログの確認・デプロイの手順を資料にまとめ、担当者が入れ替わっても運用できるようにしました
